君想歌

高杉の手のしっかりとした
重みが伝わる。


「刀はな、武士の魂なんだよ。
稔麿は守るっていったんだろ?
アイツは約束は破ってねぇ。
お前が稔麿の懐刀は肌身離さず
持ってるからな」


ずっと一緒に居ると言った。

身体は消えても魂は此所にある。


そういった意味が含まれて
いたのかも知れない。


懐刀をそっと押さえると和泉は
にっこりと笑う。


「稔麿。簪ありがと。
これからも守ってね」


和泉の言葉に答えるように
優しく風が頬を撫でた。


『もう、しょうがないね……』

笑いながら和泉の頭を撫でる
稔麿と高杉の手が重なり。

一筋の涙がこぼれ落ちた。


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