君想歌

引っ立てられるようにして
腕が引っ張られる。


「ちゃんと送るからよ」


傾いた身体を抱え上げられて
和泉は顔を袖で隠すのも忘れ
目をぱちくりとしている。


去っていった名乗ってもいない
男、高杉の行動に口を挟む間も
無く。


土方は額を押さえて息を吐いた。





「高杉晋作、下ろして」

「おぉっ。悪い!!」


今気づいたかのように高杉は
地面に和泉を下ろした。


それでも高杉は手を離す気は
無いらしい。


行き先も告げぬまま歩いていく
高杉に和泉は素直に従う。


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