君想歌

ジャリッと砂を踏む音と気配が
急に現れる。


「あーあー。女泣かせやがって」

この場に似合わない陽気な声。

何度か聞いた事がある声に
ゆるりと和泉は面をあげた。


「よう久し振りだな」


片手を上げた人物は相変わらず
派手な格好をしている。


土方が和泉を守るように
殺気を滲ませた。


「止めろって。害はねぇよ」


ひらひらと手を振った高杉に
警戒を解こうとは土方は決して
しなかった。

じっと和泉を見つめる高杉から
酷い顔を隠す。

「なぁ兄ちゃん。
何もしねぇって約束するから。
一刻だけ貸してくれねぇか?」

高杉は強引に和泉の手をとった。


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