君想歌

屯所から出た二人は軽く
屯所の回りを歩く。


出掛け間際に持ってきた羽織を
肩にかけて和泉は土方の隣を
言葉も無いまま歩く。


沈黙に耐えかねたように土方は
和泉に何気ないことを話の種に
会話をし始めた。


「やっぱり暑いな……」

下がる気配の無い気温に
土方がぼやく。


顔をあげた和泉を土方は
横目に入れると会話を振った。

「そんな格好して暑くねぇのか?」


薄い着流しの上に羽織を着る
和泉の姿は暑そうには見えず。

土方は思わず問いかけた。


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