君想歌

雲が満月に近い月に掛かり
辺りが暗くなる。


和泉は土方に酒を注ごうと
前の方へと身体を傾けた。


「暇だな。散歩でも行くか」

「え……」


思わぬ土方の言葉に目を見張る。


土方たちと離れた山崎と斎藤は
積もる話でもしているらしい。

此方には目もくれない。


「行かねぇか?」


土方の誘いの声に和泉は迷う。

困惑した和泉の表情を見て
土方は付け足した。


「そのままの格好で良い」




本来なくてはならないはずの
刀を持たなくて良いとの言葉。


和泉は土方の誘いを受けた。


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