左腰に差した刀を握るが
殺気は出さない。
和泉が起きちゃうからね。
敏感なんだろうから。
だからやや小さめの声で
鳥居の陰に声を掛けた。
「ここまで着いてくるなんて。
無遠慮にも程があるよね。
桂さん」
「たまたま、じゃないか」
笑顔を崩さず答える桂に
苛々が募る。
吉田が爆発しないのは膝の上に
和泉がいるからであって。
もし隣に和泉が座っていたなら
行動は変わっていた。
「一度ばかり、名高い新選組の
女隊士の顔を見てみたかった。
それだけだろう」
彼は今まで藩邸から少しも
動こうとしなかった。
その彼が他人を使わずに
動き出している。
頭脳派の彼のことだ。
今後の計画に
俺の隣に居る邪魔な和泉を
消す気でいる
という考えも視野には
入れておかなければ。
和泉を守るようにすると
吉田は再度睨む。
「私はこれにて退散とするよ」
わざとらしく肩をすくめ
桂は踵を反した。
吉田は唇を噛みしめ悔しそうな
表情をして見送った。
.
殺気は出さない。
和泉が起きちゃうからね。
敏感なんだろうから。
だからやや小さめの声で
鳥居の陰に声を掛けた。
「ここまで着いてくるなんて。
無遠慮にも程があるよね。
桂さん」
「たまたま、じゃないか」
笑顔を崩さず答える桂に
苛々が募る。
吉田が爆発しないのは膝の上に
和泉がいるからであって。
もし隣に和泉が座っていたなら
行動は変わっていた。
「一度ばかり、名高い新選組の
女隊士の顔を見てみたかった。
それだけだろう」
彼は今まで藩邸から少しも
動こうとしなかった。
その彼が他人を使わずに
動き出している。
頭脳派の彼のことだ。
今後の計画に
俺の隣に居る邪魔な和泉を
消す気でいる
という考えも視野には
入れておかなければ。
和泉を守るようにすると
吉田は再度睨む。
「私はこれにて退散とするよ」
わざとらしく肩をすくめ
桂は踵を反した。
吉田は唇を噛みしめ悔しそうな
表情をして見送った。
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