君想歌

ふらりと和泉の身体が傾ぎ
沖田の胸に体重が掛かる。


「泣き疲れちゃいましたね」


涙の跡を指で拭うと和泉を
部屋の中へ連れ入る。


和泉を寝かせる拍子に
解けかけた包帯が落ちる。


「……あ」


深く抉られた傷痕は生々しい。

吉田の事は良い意味でも
悪い意味でも枷になっていた。

いつまでも傷の手当てが
出来ないままではいけない、と。

不器用ながらに巻き直そうと
和泉の傍らに膝をついた沖田。

「無理じゃないですか」


和泉の小さな手は沖田の着物を
しっかりと掴んでいた。


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