君想歌

「栄太郎。
近いうち話すからさ……
それまで待ってくれない?」


「しょうがないなぁ」

何気に栄太郎の着流しを掴む
和泉に困ったように微笑む。


黙ったまま真っ青な空を
見上げていれば。

とんっと栄太郎の肩に
僅かな重さが掛かる。


「寝た?!この状態で……」


寝るのが遅かった上に
朝の睡眠は邪魔されている。

そりゃあ眠たくもなる。

ゆっくりと肩に手を回すと
膝の上に寝かせる。


こんなこと普段は
絶対にしてないよね。

着流しを離そうとしない和泉に
少しばかり嬉しくなる。

しかし、ぴくりと吉田の肩が
揺れると神社の鳥居の陰を
睨み付ける。