君想歌

近くにあった神社の境内に
並んで腰を下ろす。


秋といっても。
あれだけ走れば暑い。


吉田は着流しの胸元を
パタパタして風を入れている。


疲れたと言う割りには
涼しそうな顔をしているなと
思い吉田を見ていれば、


「刀無いのに襲われでもしたら
どうするわけ?」

片眉を上げて軽く和泉を睨む
吉田に目を背ける。

ここまで追っかけて来たくらい。

心配させた。


「にっ逃げる……」

「ふーん。
それより何で走ってたのさ」

満足とはいかない表情をした
吉田だが目を細める。


それから一番に吉田は
聞きたかったことを訊ねた。


「そっれは……」

すぃと吉田から目を反らすと
口ごもる。