君想歌

蜂の巣をつついたような
大騒ぎになった池田屋。


近藤の声で抜刀した浪士たちが
二階に集まり戦いが始まる。


手向かいすれば容赦無く
斬り捨てる。


言葉通りに先陣をきった近藤に
刀を向けた浪士は斬られた。


それを皮切りにして乱闘騒ぎが
あちこちで起きる。


逃げ出す者も歯向かった者も
とにかく斬り捨てていく。


人数で言うと此方が少ないが
御用改めを想定外と考えていた
長州側には腕の達つ者ばかり
集まる此方は有利と言えよう。


背中合わせで戦う他を差し置き
和泉が目指す場所は二階。


刀を振るいながらも和泉は
聞き逃したりはしなかった。


誰かが吉田先生を、と漏らした
その言葉を。


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