君想歌

当たりを付けていた旅籠は
会合をしている様子は無く
予定より早く池田屋へと到着。

僅かに開けられた窓からは
ちらりと通りに目線を配る人影。

中では行灯の光で集う浪士の
影が揺れる。


「池田屋が本命……?」


建物の陰に身を隠す近藤隊は
愕然とした。


十人余りの人数で突入は
危険すぎる。


「四国屋に向かうトシに報告を」

隊士の一人が土方たちを追って
走り出す。

これは読みが甘かったと
言うべきか。

裏の裏をかかれた不測の事態。

「援軍を待ちましょう。近藤さん」

沖田の提案に仕方無いが
頷くしかあるまい。


池田屋に気を配りつつ
一旦突入は諦めた。


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