君想歌

*瀬戸和泉*

頭に繰り返し浮かぶのは
吉田と過去に交わした約束。


『和泉、恋より。
ちゃんと隊務優先してね?』


守った。


『俺を殺す時、泣かないで。
和泉の泣き顔見たら俺。
一緒に連れていきそうだから』

――笑って。


『俺、和泉の笑顔大好きだから。

和泉に残酷なお願いして
本当にごめん。
俺が和泉にする最期のお願いに
なるかもしれないから。
守ってくれると嬉しいなぁ』


溢れそうになる涙に立ち止まる。


夕空を仰ぐ。

手のひらを握りしめる。



どこまでも広い茜空。




目まぐるしく動く時代の荒波に
一つの恋が儚く散った。


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