君想歌

乾いた音の後、沖田は和泉を
目を見開いて見つめる。


叩かれた頬に声を失う沖田に
叩いた右手を握りしめる和泉。

「いっ和泉……?」


固まった空気に、和泉の行動に
何よりも驚き土方が声を出した。


「迷ってたんだよ。土方は。
枡屋を捕縛すれば吉田も釣れる」

顔を伏せた和泉の表情は
逆に嬉しそうに笑っていた。


今回の計画を率いる頭は吉田。

その計画が阻止されたら
何か動きは見せるだろう。


「でも組の為には悪影響になる。
だから一くんに遠回しに
土方に言ってもらった。
このままだと折角の好機を
逃しちゃうからね」


ね?優しいでしょ土方は。


そう言って和泉は首を傾げて
沖田を見つめた。


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