君想歌

土方の怒声が道場まで聞こえ
斎藤は蔵まで走る。

拷問をかけている土方には
近付かない方が良い。


それは周知の事実。


「瀬戸っ」


泣きそうな顔で懐刀を握り
和泉はその場に座り込む。


和泉を持ち上げると斎藤は
部屋へと引き上げる。


何度か瀬戸は土方が行う拷問に
付き合っている。


拷問の酷さが増してはいるが
衝撃はそこまで受けない。


「一体何があったのですか?」


六月始めに不手際で傷を負った
山南。


部屋で休んでいたが土方の声で
また彼も出てきた。


畳に座った和泉に優しく尋ねる。


「攘夷派の計画は無謀だよ」


耐えきれなかったように
涙が溢れた。

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