君想歌

山野の大きな瞳は和泉を
心配そうに見ている。


「強がっちゃ駄目ですよ?
ちゃんと相談してください」


叫び声が両親が殺された時と
重なり怖くなった。


が、山野に迷惑は掛けられない。


「いきなり過ぎて驚いた」


当たり障りの無い理由を並べ
和泉は続ける。


「仕事に戻るね。しっかり休んで」

「はいっ」


気丈に振る舞う和泉に
見え隠れする感情。


あえて気付かないフリをして
山野は大きく頷いた。


部屋を出ていった和泉の足音が
遠くなる。


今夜あたり。


大きな事が起きそうでならない。


胸騒ぎに山野は布団を頭から
被った。


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