君想歌

高杉の顔を見たら次に問いたい
俺に対しての質問は聞かずとも
分かる。


「和泉はどうするんだ、とか
聞かないでよ?」


先回りして言えば。


ぐっと押し黙った高杉。

可笑しすぎて肩を揺らし笑う。

「計画が成功するなんて俺は
少しも思ってない。
この命は未来の為に捧げる」


「稔麿!!」


突っ掛かってきた高杉は
吉田の襟元を掴み上げる。


止めてくれ。

死ぬな。


目の奥に浮かぶ高杉の感情に
吉田は目を背けた。


「この世は誰かが動かないと
変わらない。
それを待ってるだけじゃ駄目。
自分が動かないとね」


俺が死ねば倒幕派の勢いは
加速する。

幕府には止められない程。


「死ぬつもりじゃないと。
世の中は変わらないよ」


襟元を掴んだ高杉の手から
するりと力が抜ける。


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