君想歌

土方は文机に右肘をついて
何とも言えない表情を浮かべ
呟いた。


「近く枡屋をしょっぴくだろ?
その時、吉田が釣れたら
俺はどうすりゃあいいんだ?」


自信無さげに斎藤に尋ねた土方。

斎藤は一呼吸置くと土方を
真っ直ぐ見つめた。


「瀬戸の意見を最優先するのが
得策かと。
自分で片を付ける、そう瀬戸は
言ったのではありませんか?」

「……言いはしたが」


気が進まない風の土方に斎藤は
追い討ちを掛ける。


「瀬戸を信じてください。
彼女にとっては辛い結果に
なるかと」


先が見えているかのように
土方に答えを返した斎藤は
目を伏せた。


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