君想歌

戦力も含め戦況は芳しくない。

大人数の敵に先が見えない。


「和泉、集中して。
悠に剣術を教えたのは
俺達よりも強い人だから」


高杉と一緒になって戦う悠に
心配で時々意識を向けていた。

何も言っていない。

表情にも出していない。


手に取るように分かる
和泉の変化。


その変化を含め吉田は
不安も綺麗に拭っていった。


「それに馬鹿だけど晋作は
信用できる男だよ。
馬鹿だけど」


「それ誉め言葉か?
悠を守れ無かったらお前は
俺を葬ろうとしてんだろ!!」


吉田の隣に滑り込んだ高杉たち。


口元を引きつらせる高杉に
顔色も変えずさらりと言い返す。


「良く分かったね。
和泉が怪我したら殺す」


「止めてくれぇ!!
頼む怪我してくれるなっ」


必死の形相で見てくる高杉に
数回苦笑いで頷いた。


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