君想歌

ちらりと周りを見た和泉は
眉を寄せる。

「和泉さん?体調悪いですか?」
山野の心配に首を振り和泉は
足を止めた。


「予定変更、屯所に戻って」

「へ?」


山野はその言葉に目を丸くする。


一瞬の内に和泉が横を通り過ぎ
血飛沫が舞う。


その人物が倒れる前に。

「走れっ!!」


和泉の言葉に押されるように
大通りへ蹴り飛ばされた。


「早く応援呼んできなよ。
和泉は守る」


山野を蹴り飛ばした人物は
得意そうに笑みを浮かべていた。


完全に背を男に任せている
和泉に山野は屯所へと走った。

「これは、不味くない?」


すらりと慣れた動きで刀を抜き
和泉の後ろに立った吉田。


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