君想歌

夕餉に久しぶりに姿を見せた
沖田に対して隣にあるはずの
和泉の姿は見当たらない。

「あれ?和泉はどこですか?」

和泉と出掛けた土方は
此処に居るのに。


「……一緒に帰ったぞ」


周りを見ても知らないと
首を振る連中ばかりで。


沖田は和泉を探しに大広間を
一人出ていった。



「なんで居ないんですか?」


屯所内に居るなら必ず
あるはずの刀が見当たらない。

すなわち外に出ている。


「居たか?
他は先に食べ始めてるぞ」


気配無く現れた斎藤は
沖田の後ろに立つ。


「居ません。
外出中みたいです」


「は?下駄はあったぞ」

何を馬鹿な事を、と斎藤は
眉を寄せる。


また廊下から聞こえた騒々しい
足音に同時に振り返った。


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