君想歌

川に土方は小石を投げながら
自分の思う事を話す。

「いいか?例えば……」


新撰組の副長である俺が、
幕府に殺されたとする。


その後の新撰組はどうなると
お前は思う?


「……攘夷派になるかも」


「かもな。簡単に言えばの話だ」

――何かを起こすには
誰かが犠牲になる上に起こる――


倒幕となれば尚更
その犠牲になる命は多くなる。

「その先駆けになるんだよ。
吉田は」


土方の表情は苦々しい。



『命は捨てるものじゃない。
和泉は、どうするものと思う?』


謎かけめいた質問の答えは
全く分からなかった。


「捧げる……」

和泉が漏らした言葉に
土方は何も言わなかった。



.