君想歌

何一つ警戒もしてない吉田に
心配になる。


外に出る時は笠を被るように
していたのでは無かったのか?

「大丈夫だよ」


心配が通じたのか吉田は
和泉の頭を一撫でする。


「また祇園祭の日が近づいたら
連絡する」


店の表で下駄を履こうとして
もたつく和泉を見て吉田は
手を貸した。


「ったく……しっかりして」


下駄を履こうとして転けかける
和泉に吉田はため息混じりに
呟いた。


吉田の手に重ねられている
和泉の手から力が抜ける。


「どうしたの?」

離れようとした和泉の手を
反射的に掴んでしまう。


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