君想歌

吉田の言うことに嘘は無い。

大人しく夜を待つとしようか。

「信じてるから」

名残惜しそうに手を離し和泉は
吉田から一歩離れた。

そんなに簡単に俺を信じて、と
吉田につられて和泉も笑う。


「送れないけど。気を付けて」

さらりと和泉の髪を触ると
吉田は目を細めた。

吉田と和泉は逆方向に
歩みを進めていった。



後ろ姿をしばらく見つめて
和泉も大通りへと出る。

「和泉!?こんな所になんで居る」

驚きを隠せていない斎藤は
和泉に詰め寄る。

「お散歩?」

あははと乾いた笑いをする
和泉は斎藤を盗み見る。

すると無表情で一言。

「説教だ」

「え?えぇぇぇえ!!」


そりゃ無いよ。一くん!!


スタスタ歩く斎藤に和泉は
叫んだ。


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