君想歌

「今朝の手紙なら見たよ」

「知らないでしょ。花言葉」

得意気に吉田は和泉を見る。

「きょ興味無かったし」


素っ気なく答えると吉田は
肩を揺らす。

小さい頃から家に居るより
竹刀を振り回す方が好きだった。


女の子らしい遊びなんて
数える程度しかしなかった。


だから。

花言葉なんて知らなかった。

「あのね……」


和泉の耳に口を寄せようと
身体を傾ける。


興味深々で吉田の話を聞こうと
背伸びになる和泉に悪戯心が
胸をくすぐる。


「やっぱ言わない。
こういうの夜の楽しみだもん」


「はぁっ!?」

吉田は随分とすっとぼけた顔の
和泉の唇に指を当てた。


「お預けだよ。
夜は楽しいことが起こるから」


意味深な吉田の言葉に顔に
そのまま表情が表れる。


理解できない、と和泉は呟くと
吉田を見上げる。


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