君想歌

沖田の注意を促す言葉に
素直に返事は出来なかった。


「こんな所に居たんですか」

島原で別れたはずの山南が
甘味屋に姿を見せる。


ちらりと和泉を見た後で
山南は二人を急かした。

「早く屯所に帰りますよ」


支払いを済ませた沖田が
甘味屋を出てくるのを待つ。


島原へ行く時と同じ様に
屯所へと帰る。


「……?」

じっと見つめられている風な
視線を感じて足を止める。

狙われているとか、
そんなんじゃ無くて。


「っ!!総司、山南さん。
先に屯所戻ってて!!」


和泉と目が合うと路地裏へと
姿を消す。


「えっ!?和泉!!」

「総司、行きますよ」

いきなり走り出した和泉に
追おうとした沖田を制止する。

「行きますよ」

沖田の腕を掴んだ山南は
先に歩いていく。

すべてお見通しの山南に
心の中で礼を言い。


見えなくなった背中を追った。

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