君想歌

「私が好いた人は絶対に一緒に
なれない人だよ」

え?と明里の顔に困惑が浮かぶ。



この時勢が変わらない限り。

一緒になるのは叶わない。




和泉も吉田も。

生と死は紙一重。





「山南さんを信じてあげて。
籠の中の鳥は何時かは出られる」

にこりと和泉は笑うと唇に
人差し指を当てた。


「秘密ね?恋仲のこと」


ぱちんっと右目を閉じて見せた
和泉に明里は頷いた。


「明里姉さん。瀬戸さん。
山南さんがお呼びです。
そろそろお帰りになると」


襖の外から声が掛かり二人は
立ち上がった。



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