君想歌

やはり女というのは恋の話が
好きな様子。

話すうちに変わった話に
盛り上がる。

「和泉は好きな男の人、居るん?」

突拍子もない明里の質問に
和泉は慌てる。


「居るんやっ。どんな人なん?」

明里の食い付きようは
凄まじい。


「えっと……。
一杯あって分かんない」


「うわぁぁあ!!
会ってみたいわぁ。
うちは上洛してから山南さんに
贔屓にしてもらっとって。
そっから恋仲になったんや」


互いに好いた相手を思い浮かべ
赤くなる。


「でもな。うちは遊女なんや。
身請けは大金が無いと出来ん。
所詮、うちは籠の中の鳥や。
……ごめん。和泉に言うても
あかんな」


明里の言葉は痛いくらいに
分かる。


和泉だって同じようなもの。


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