君想歌

風が木で揺れるのを眺めながら
和泉は考えた。


「会えなくて初めて分かることも
ありますよ。
もちろんお互いのことで」


「失ってからではもう遅い。
後悔しないようにするのが
大事ですよ?」



山南はそこで喋るのを止めた。


新撰組に居る限り。

いつ命が消えるかは分からない。

それは吉田とて同じである。


「ところで。
女心は男には分かりません。
明里に会いに行きましょうか。
屯所に居ても暇でしょう?」


山南の提案に和泉は賛成する。

でも総司を呼ばないと。

縁側を立つも必要は無かった。

大福を口一杯に頬張り柱に
もたれる沖田と目が合う。


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