君想歌

文を閉じて初めて気付く。


そうだ和泉さ。

桔梗の花言葉って知ってる?


聞いたりしたら駄目だよ。

知らなかったら今度会った時
教えてあげる。


「桔梗?……稔麿が花言葉」


意外だ。

文を捨てることはせずに和泉は
文机の中にしまい込んだ。


「和泉。起きましたか?」


引き出しを閉めた直後。

沖田が部屋に顔を覗かせた。


「起きたばっかりですか?
すいません……」


「ううん。だいぶ前に起きてた。
土方に起こされたから」


それを聞くと沖田は和泉の
隣に座った。


「大人しくしていて下さい、と
言ってもしませんよね。
外出する時は言って下さい」


良いですね?と沖田は笑う。


「分かった。
総司って花言葉に詳しい?」


和泉の口から出た言葉に
沖田は首を傾げる。


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