君想歌

和泉の膝に乗り撫でて、と
いう風にセンは頭を上げる。

腕で抱えあげて撫でてやり
気持ちよさそうに目を細める
姿を見つつ思う。


「会いたいな……」


ぽろっと出た本音は誰にも
聞かれないで溶ける。


フサリと頬を尻尾が撫でる。


『俺なら和泉の傍に居るよ』


そう言って吉田の手はいつも
和泉の頬を撫でていた。


センは吉田が自分の代わりに
送ったと考えていいのかな。


都合良い考えだがセンの行動は
あまりに吉田と似過ぎていた。

その吉田と離れてしまう予感が
どうしても拭えない。


祇園祭に一緒に行こうと
あの晩に約束したのに。


どうしても。

もう会えないという言葉が
深く胸に刺さっていた。


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