君想歌

話し合いは長引き、すっかりと
夜は更けてしまった。


自室へ戻る前に和泉の部屋へと
沖田は足を向けた。


何時までも土方の寝室に
居るのは迷惑になる。


そう言い張った和泉を沖田は
部屋まで運んだのだ。


「起きてますか……?」


そろりと声をかけて襖を開く。

「あれ?」


行灯の灯った部屋に布団だけが
ぽつんと残る。


刀は無い。



瞬間、沖田は走り出した。


屯所の裏側から出ている
慣れた彼女の殺気に向かって。


一足遅かったらしい。

彼女は既に間者を見つけて
刀を交えていた。


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