君想歌

「幕府の者を助けるのは嫌ですが
あの桂さんに頼まれては……。
仕方ありません」

久坂は断れない、と苦笑いする。


二つ折りにされた紙を開けば
それぞれの薬の分量が細かく
書かれていた。

今後は一切手助けしない、
久坂の意思表示。

悠が次からは作らなければ
ならない。


「悠、藩邸から出ないで下さい。
狙われるのは承知してますよね」


心配性の久坂は念を押した。


「桂さんの部屋に忍も居るはず。
頼んできなさい」


久坂は悠の背中を押した。

悠を危険にさらすのは久坂は
絶対にしたくなかった。


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