君想歌

「ぅぇっ……苦い」


これ人間が飲むもんじゃない、
と愚痴る和泉。


その間に屯所内に間者が居ると
伝えた。


水を飲み干すと尚、苦いと一言
漏らす。


「いっ和泉さーん」

押さえきれなかったのか山野が
和泉の胸に飛び付いた。


突然の事に驚く。

だが力を加減したらしく和泉の
身体は後ろへ倒れなかった。


「僕が食事を確かめなかったから
和泉さんがこんな目に。
ごめんなさい」


ぐずぐずと鼻をすする山野に
和泉は手を前へと回した。


「あはは。大丈夫だよ」


山野を宥める和泉は、さながら
姉のようだ。


「和泉、さっさと寝やがれ」


少しの間、黙っていた土方が
口を挟んだ。


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