君想歌

つい先程、目が覚めた和泉は
起き上がらずに下から睨む。


「大丈夫か?」


悪い、と最初に謝った土方は
真っ先に問った。


「大丈夫……と言いたいが。
残念ながら無理だ」


和泉ならば無理にでも身体を
起こしているだろう。


しかしそれをしない理由は
強がっている状態でないから。

下手をすれば失いそうになる
意識を辛うじて気力で今は
繋ぎ止めていた。

現に和泉が正直に自分の状態を
話すのは滅多にない。


「薬飲め」

山野が汲んで来た水と薬を
畳に置くと和泉の身体を起こす。


「っ……」

とさっと後ろに回った土方に
和泉の体重が掛かる。


起きたことで目眩がしたのか
和泉は顔を歪めた。


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