君想歌

*才原悠*

診療所から連れ出されて丸一日。


吉田が昨夜遅くにやって来て
悠に着いてくるように求めた。

仕事では無い。

理由を問えば、はぐらかされる。

余談だが吉田が最近飼い始めた
猫の姿が部屋から消えていた。

「ふぅ……」


吉田の溜め息交じりの声が
悠の耳に入る。


「今の状況。
全く知らないみたいだね」


「何かあったんですか?」


いい加減、することも無くなり
早く家に帰りたい。


「生きてることが長州にバレて
狙われてる」


もちろん和泉と悠のこと。


は?と声を思わず出した。

「一昨日、桂さんから文が届いた」


文机に無造作に広げられた
文の送り主は桂から、らしい。

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