君想歌

和泉を見れば非常に不味い
状態である事は土方でさえ
分かる。


「何の毒かも分からへん。
せやから解毒剤も作れへん」


ゆっくり伸ばされた土方の手が
和泉の手に重ねられる。


「大丈夫だよ……な?」


自分に言い聞かせるように言う
土方の気持ちだって痛いほど
理解できる。


外見の割りに子供のように
和泉は体温が高い。

その和泉の手が冷たいのが
土方には信じられない。


今は微かに上下する胸元だけが
和泉が生きていると感じさせる。


「間者、探すのが先決や。
姉ちゃん頼むで」

土方と山野に目配せした山崎は
部屋を足早に出ていった。

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