君想歌

*土方歳三*


襖にもたれている和泉の腕を
俺は引く。


「ちょっと来い。
山野、総司と斎藤もだっ」


有無を言わさぬ言い方で和泉を
引きずる形となったが構わねぇ。

後ろから小走りで着いてくる
三人は眼中には入らない。


「山野と和泉は隣の部屋に居ろ」


繋いだやけに冷たい和泉の
指先が気になった。


半ば押し込むように隣室に
二人を押し込む。


ふらついた和泉を支える山野が
視界に入り舌打ちをした。


昨日と変わらない散らかった
部屋で土方は座るのを待たず
口を開いた。


「この組に和泉の情報を流す
内通者が居るかもしれねぇ」


ピクリと二人の肩が跳ね上がる。


まぁ唐突すぎるからな。



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