君想歌

原田の槍が飛んで来たクナイを
弾き飛ばす。


襖を蹴倒すように廊下に出た
沖田は刀を抜いて殺気を出す。

だが時は既に遅し。


いきなり現れた忍は瞬く間に
彼らの前から消えていた。


「ちっ!!逃げた……」


悔しそうに原田が唇を噛む横で
沖田も同じ表情になる。

山崎の黒い影が屯所の塀を
越えていく。

恐らく追うつもりだろう。


捕まえられなかった事に
溜め息が漏れる。


「和泉、大丈夫か?」


沖田の後ろに居た和泉は襖に
もたれている。


藤堂の声に意識が和泉へと
集中する。


和泉の部屋へは土方を始めとし
隊士たちが集まる。


あれだけ大きな音がしたのだ。

ほぼ全員が目を覚ましていた。

「警戒を怠るな!!」

土方の指示に隊士たちは
各場所に散っていった。


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