君想歌

「平助が。
部屋に行くって聞かなくてな」

寝ている藤堂の腕の中には
しっかりと刀が握られている。

これが意味するものは和泉でも
分かる。


「ったく。当の本人は寝てるがな」


原田に寄りかかり寝息をたてる
藤堂。


原田は頭を引っ掻きながら
苦笑した。



「ちょっと待ってて」


部屋の隅に畳んで重ねた布団を
一枚原田へと手渡す。


「和泉の分はあんのか?」

「大丈夫だよ。まだあるから」


藤堂を永倉の方へと引きずり
原田は隣へと腰を下ろした。


彼らに布団を掛けてやる原田は
やはり優しい。


「ほら、和泉も寝ろ。
ここは大丈夫だから」


原田に促されて部屋に入った。

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