君想歌

煙管を右手に持った土方は
溜め息を吐いた。


「今になって言うとはな……。
ずって黙ってりゃ良いものを」


「近い内に言う予定だったの」


そうかよ、と呟くと紫煙を
吐き出す。


「狙われる心当たりはそれか?」

土方がちらりと目線を向ける。

「情報が漏れたらしいですね。
面倒臭い」


「みゃぁ」

膝の上に乗せたセンの顎の下を
撫でてやる。

気持ち良さそうに尻尾を振る
センを土方は見つめた。


「さっきから離れねぇな。
屯所は動物禁止だ」

「センだから良いんです」

「何だそりゃ」


満更でも無い様子でセンの
頭をぐしゃぐしゃと撫でる。


「うわっ!!」

着流しの合わせに飛び込んだ
センに驚く。

頭から突っ込みもがく間抜けな
猫に苦笑いする。


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