君想歌

「ずっと隠し通せるものじゃ。
無いか」

幕府の側の者が長州の志士と
交流がある。


事実が露見した今。


吉田稔麿という人物から。

芋づる式に和泉の情報は
バラバラと引き出される。


「……瀬戸。起きてるか」


「起きてる」


控えめに開けられた襖の間から
顔を出した斎藤。


だが和泉の顔を見て斎藤は
眉を寄せた。


「顔色が良くないぞ。
体調でも悪いのか」

斎藤の心配に首を振り、
和泉は手紙を懐に突っ込む。


「今から土方の所に行くところ」


――皆。集められる?


和泉自身からの幹部らへの
召集要求。



何も聞こうとせず、斎藤は
部屋を足早に後にした。


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