君想歌

互いに情報は少しも漏らさない。

それが普通だった。


「それに隊規違反になる」


組内の情報を話すのは
間者と同じ。


第一。

吉田だって味方を売る行為を
和泉がするのは嫌だろう。


それに二人の時に仕事は
持ち込みたくない。


なんだが論点がずれた気がする。


「組の情報は漏らさないし、
長州側にもつかない」


無意識に右腰の刀に触れる
自分の手が視界に入る。


「間違っても組は売らないよ」


山崎を一瞥すると和泉は
一言もそれから喋らなかった。

吉田が死ねば。

全てを話すつもりで。


相応の処罰が和泉には下るのは
確実。



それを期待している自分が居た。


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