君想歌

羽織を脱ぎ、手に引っ掛けて
目的地へと足を向ける。


暗くなった町をわざわざ
出歩く人も居らず。

すぐに河原へ到着する。


「ぎゃあ!!」

後ろから肩を叩かれ身体が
跳ね上がる。


可笑しそうに笑う吉田を
一睨みし後ろの木へともたれた。


「うちの監察に声を掛けるなんて
自殺行為だよ」


相変わらず送られてくる視線は
無視して吉田と言葉を交わす。

「まぁまぁ。
それで今日はお誘いを。
祇園祭、一緒に行こう?」


「……祇園祭?」

和泉の声に頷いて見せる。


京で行われる夏最大の祭り。


「そう。祇園祭。
和泉と一緒に行きたいなって」


和泉の隣にもたれた吉田は
ニコリと笑う。


.