君想歌

屯所を出ていき帰ってきてから。

少し雰囲気が明るくなった気も
しますし。

良いとしますか。


そんな沖田沖田の心中など
知らずに隣で任務をこなす和泉。


「あれ?」

脇道に繋がる大通りで不意に
和泉が小さく口を動かした。

此方を観察するような目線が
何処からかする。


確かでは無いが。

誰かに見られている気配を
少なからず感じる。

一番隊に、では無く
それは和泉個人に、だ。

「総司、ここまでだよね?」

敢えて気付かない振りを貫き
仕事を終わらせる。


「ここから左之さんの隊ですから」


沖田の声で隊士らの緊張感が
一気にほどける。


「少し寄る場所があるから。
帰りは遅くなる」


「え?一人で、ですか。
気を付けてくださいよ」

沖田の声を背に受けながら
和泉は約束の場所へと向かった。


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