君想歌

浅葱の羽織が夜風になびく。


隣を歩く沖田から遠慮の欠片も
見当たらない視線が突き刺さる。


流石に嫌気が差した和泉は
後ろを着いている山野を掴む。


「八十八っちゃーん」


ぐいっと頭一個分背の高い
山野を間に割り込ませる。


「何ですかぁ……。
急に引っ張って」

隣に強制的に連れてこられた
彼は和泉の顔を説明を求める為
見る。


「歩く壁になりなさい」

「はい!?」

彼女の命令に山野は思わず
間抜けな声を上げた。


そして隊士たちの間でも
どっと笑いが起こる。

「ちょっ和泉!!
後で話すことがありますからね」

沖田が目を些か吊り上げて
強い口調で言う。


「分かりましーた」


舌を出して言って見せた和泉に
沖田は口を尖らせる。


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