君想歌

「松陰先生は二番目の人間が
進む道を作ったんだよ。
それが稔麿たちでしょ?」


一番目の人間は真っ暗な道に
明かりを灯す。

――吉田松陰は門下生らに
倒幕という道を与えた


二番目の人間はその道を
手探りで進む。

――稔麿たちは倒幕を
実行しようと命をかける


三番目の人間は二番目の人間に
託された進むべき道を進む。



「だから稔麿が悪いんじゃない」

和泉の言葉に驚いたように
目を見張る。


「二番目の人間か。
三番目の人間は悠かな?」


吉田は心が軽くなったのか
くすりと笑った。


「ありがとう。和泉」


吉田の思いは痛いほど分かる。

これは根本的な解決には、
なっていないかもしれない。

けど、少しでも苦しみを
楽にしてあげたい。


稔麿が自分の事で悩んでいたら
きっと悲しいだろう。


それを松陰だって
望んでいるであろうから。


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