君想歌

「甘えたりだってしない。
本音を言わない。
一人で抱え込んで頼らない。
感情をあまり表に出さない。
ね?似てるでしょ」


昔は、と言った方が
正しいのかもしれない。


出会ってから変わったのは
二人とも確かだ。


「そうだね。納得出来る」


可笑しそうに笑った吉田は
和泉の言葉に頷く。


俺がこんなに素直になるなんて
珍しい。

それも人前で。


到底、前の俺から考えたら
有り得ないけど。

これは紛れもない現実で。


腕の中に収まる身体からは
確かに体温が伝わって来る。


和泉の近くに居られる時間が
無くなってしまう日は近い内に
確実に来る。


だからこそ時間が経てば経つ程
離れ難くなってくる。


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