君想歌

もう無意識の内に吉田の手に
自分の手を重ねるようになった。


三日は屯所に帰って来んな、と
副長命令で。

隊務は三日やらなくて良い、と
局長命令でも言われた為に
たっぷり時間はある。


吉田の横顔を見ながら
ずっと考えていれば、

「そんなに見つめられたら
困るんだけど?」


苦笑いして隣を見た吉田に
慌てて目を反らす。


「ずっと見つめられるのは
嫌じゃないけど俺が恥ずかしい」

隣を歩く和泉は吉田の言葉に
笑った。


普通、女は男の三歩後ろを
着いて歩くもの。

だが和泉と吉田は距離も空けず
隣を歩く。


自分が出来るから、だろうか?

不思議に思い和泉は
吉田に訳を尋ねる。


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