君想歌

餡子が乗ったほんのり温かい
団子を和泉は頬張る。


吉田は三色団子を食べながら
和泉の手に持たれた団子を
物欲しそうに見ている。


「食べる?」

食べ掛けの四つしか残ってない
団子の串を少し傾ければ、
うんうんと首を振る。


さて……。
どうやって渡そうか。


そこで和泉の頭にある方法が
浮かんだ。


「あーん」


前のめりになって吉田の口に
串を入れる。


「ふぇ?」


ぱちくりと目を驚いたように
見開いていた吉田だが器用に
一つ団子を抜き取る。


「うん甘い。
和泉もあーん」


和泉の真似をして串を差し出す
吉田に倣って団子を口に入れる。


「そうだ。部屋でお花見しない?
団子持って帰ってさ」


その提案に和泉は迷わず頷いた。


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