君想歌

もぞもぞと着物を着て
布団から顔を少し出す。


「ほら。出ておいで」


完璧に此方の反応を見て
面白がっている吉田。


数段近くなった二人の距離を
まだ埋めるようにと吉田は
和泉の額に口付けを落とす。


「隙あり」

「稔麿っ!!」


ペロッと舌を出す吉田に
和泉は叫ぶ。

油断も隙もあったもんじゃない。


隙あれば和泉の唇をこれ幸いと
吉田は奪おうとする。


「む〜。ケチ」


口を尖らせて不満を露にすると
代わりにと和泉と距離を縮める。


「ケチじゃない。
私が稔麿が好きなのは
変わらないんだから」


「じゃあ好きって言って?
和泉の口から」


悪戯っ子のように間近にある
吉田の口角が上がる。


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